声
何万人に一人の割合なのかは知らないが不感症(冷感症とも言うらしい)の女が実在する。マグロ以下だ。目を開けたまま愛撫を受けている。
まるで不気味な人形を相手にしている気になってくる。それとは別に、感じていても声をあげない女も実在する。よほど壁の薄い部屋で
セックスを重ねてきたのだろう。声をあげないことが習い性となっている。ラブホテルでも全く変わることはない。
五感。視覚、触覚、臭覚、味覚。そして聴覚。女の切ない吐息、歓喜のよがり声、それらは男の支配欲と性欲を強くしげきする。
愛撫に歓び、「まんこ……気持ちいいっ」「ちんぽ……挿れて。お願い」あられもなくはしたないことを口走ってしまう。歌を忘れたカナリヤは
裏の畑に捨てられる運命かもしれない。