三日月のズレ
靴の締めつけから解放されたスト足を見るのが好きだ。見えない湯気を立てているかのような脱ぎたての足に顔を近づけて
匂いを嗅ぎたい衝動にかられる。その足先を覆う三日月のズレを見て靴の中に閉じ込められていた足を想う。
長い距離を歩いてきたのだろうか、歩き方にクセがあって左右のつま先のズレが異なるのだろうか、いろんな想いがよぎる。
編み目が足裏を刺激して痛みを感じたりしないのだろうか、靴を脱いだばかりの女性に訊いてみたいことが多い。このズレを嫌って
パンスト着用率が下がっているのだろうか。しかし、痛みがないのであればズレにも男は心をときめかせているのだから
女らしさの象徴とも言えるパンストを穿きこなして美脚の華やかさを強調してもらいたいと思う。