おしっこするところを見せろ! そう命じられた女は驚く。胸の内では「いやっ」と言っているのかもしれない。あるいは「変態!」と
おぞましさをおぼえているのかもしれない。それでも抗しきれずトイレのドアを開け放って用を足すことから始めるようになる。
見られる恥じらいからチョロチョロとしか出ない。回を重ねるごとに勢いは増す。見られる歓びを知った女はこれほど代わる。
だが最後まで嫌がるのは音を聞かれることだ。小さな孔から噴き出す瞬間よりも聖水が便器や洗面器に当たって起きる音を聞かれることが
なにより恥ずかしいと言う。その恥じらいを薄め、馴らし、平気になるよう仕込んでゆく歓びが男にはある。