変身
交尾を終えた女はシャワーを浴び、男の唾液も情熱も精液も自らの淫汁も流し去る。なにごともなかったかのように洗い流し、化粧を
整えブラジャーをあてがい乳を寄せて背中のホックを止める。剥ぎ取られた下着に脚を透し、くしゃくしゃのパンストを手に取り脚に這わせる。
ちょっと前までベッドの上で乱れ、隠語を乱発し、喘ぎ声を響かせた女とは別人であるかのようにふるまう女がそこにいる。
しかし紛れもなく同じ女なのだ。前戯で徐々に息を荒くし、硬く太くそそり勃つちんぽをしごき、それに唇を寄せただけでなくくわえこみ、
唾液の音を立てておいしそうに頬張っていた女と同一人物なのだ。「まんこ、いいっ、ちんぽ、すてき」とうわごとのように繰り返していた女。
風俗嬢が源氏名で働くのは本当の自分とは別人だからと区別するためと言われている。女はすべて娼婦なのか……。
男がハメ撮りをしたがったり動画を記録したくなるのは変態だからなのではない。澄まし顔で着飾る女と、男の腕の下でちんぽを
むさぼり悶える女が同じ人間なのだと再認識するためのツールなのだ。「こんなに淫らに腰を振る変態女なんだ」というつもりで女に
見せつけ、女の本性を知らしめる効果が映像にはある。清楚な顔をしていながらはしたない喘ぎ声を発し悶える女。映像を二人で眺め
顔を赤らめる女。そんな女をいとしいと思い、穿いたばかりのパンストの股間に手をやる。湿り気が指先に伝わる。淫らな時間が再び始まる。