女の恋は上書き保存
女は終わった恋を引きずらず新しい恋をそれに上書きしてしまう。古い恋がどんなに悲しい結末であって、悲劇のヒロインになったと
しても女は上書き保存して前を向く。切り替えが素早く、それが女という生き物の特性なのだ。なにごともなかったかのように新たな出会い
を見つめ集中する。まるで過去の男など存在しなかったように振る舞うからカミングアウトさせる悦びがあるとも言える。
過去の男にどんなふうに仕込まれたかを告白させる。それまでの変わった行為を告白させる。上書きしてしまったはずの過去が徐々に
蘇る。消去したはずの切ない記憶を呼び起こす。直穿きも束縛も経験済みかもしれない。放置も露出も撮影も仕込まれているかもしれな
い。女の恋は上書き保存であるがゆえに、自分色に染め変えやすいとも言える。淫らな行為もいずれ上書き保存されるかもしれない。